海外の仕事環境。
今月のサンレコは、プライベートスタジオ特集。 ビンテージ機材と広い面積のスタジオ自慢が多く、あまりおもしろい内容ではない。 金と経験があればなんとかなるじゃ、音楽らしくないでしょ。 もっとも“ガラクタ機材でおもしろい音楽をつくる”といった内容だったら、もっと惹かれるのに。
音楽らしい話といえば、先日見たclubberia。
サイレント・ポエッツの下田法晴さんのインタビューがよかった。
(http://www.clubberia.com/column/2005_11poets/index.php)
彼の場合、6年間新作を出さなかったのだが、それはそれでいいような気がする。
日本はレコード会社を支えるために、リリース頻度を高めなくてはならないといった
妙なしがらみがある。出せるときに出して、いいものをつくるほうが、はるかに
健全だ。
…まあそんなことはともかく。
彼はここでタイムレスないい曲をつくりたいといっている。
これは音楽家なら誰もが願うことだろう。
そして私も彼同様、新しいレコードやCDを購入することが少なくなった。
やはりおもしろいサウンドが少なくなったせいだが、パンク〜NEW WAVEを
聴いていたときのような高揚感は得難くなってきている。
これはとても哀しいことだ。
下田さんのインタビューのなかで特に共感できたのは、自分の感情を
ストレートに出すということ。
クサイと思われてもいい、むしろそういう気持ちを出したいという
くだりだ。calmさんもそうだが、最近は感情をストレートに出す
音楽家のほうが人々の共感を得られているように思う。
むしろ斜に構えているほうが、滑稽に思えるくらいだ。
またおもしろいな、と感じたのはパリでのレコーディングのこと。
日本じゃ昼間からスタジオ入りがかっこいいとされているが(笑)、
パリではきっかり9時からはじまるらしい。
その場で録ったものを判断させられるところも、ライブ感があって
好印象を抱いた。その分レコーディングは大変そうだが、集中力は
高まるのではないだろうか。私は緊張感のある仕事環境が好きなので、
こういう現場は好ましく思えてしまう。
しかし海外の仕事環境は魅力的だなあ。
私は日本より海外のほうが合っているのかもしれない。