RIMPA展@東京国立近代美術館

とある女性と、恋愛や結婚について話をする。私のまわりには離婚経験のある人もいるが、
ここ最近は、幸せな結婚をなさっている方々に出会うことのほうが多い。いい家庭をつくって
いらっしゃる方を見ているうちに、私の男性観がずいぶん変わってきたことに気がつく。
素敵な家庭を築ける人は、それだけで尊敬に値するのではないだろうか。彼らには築いていこうと
いう意志が私の目にも見える。他人の私にも。家庭をつくるとは、どうやらこういう意志が
必要なことらしい。

今日は築地に打ち合わせに行ったあと、東京国立近代美術館
RIMPA展を見に行った。


休日に行くと人が多くて全く見れないだろうと思っていたので、
平日の会期ぎりぎりに行こうと決めていた。
内容は玉石混交だったが、非常に気に入った作品があったので、
よかったと言ってよいと思う。


私が最もこころを動かされたのは、酒井抱一の『月に秋草図屏風』。
構図、表現ともに申し分なく素晴らしい。
作品を観るなり、胸に衝撃が走るのを感じた。
向かって左側の蔓の線、そして右側に集まる夏草の配置。
うっとりするほど美しい。
それに次ぐのが川端龍子の『草炎』。黒地の屏風に金一色の濃淡で
描かれた作品なのだが、空を跳ねる草木の躍動にこころ奪われてしまった。


両作品とも屏風いっぱいに瑞々しさが広がっていた。
時代を経ても朽ちることのない、生新な息吹。


総じていいなあと感じたのは、やはり安土・桃山〜江戸時代の琳派作品。
もちろん、加山又造の『千羽鶴』のような昭和の傑作もあったが。


宗達と光悦のコラボレートも好きな作品だった。
下絵を描いた宗達と、それらを塗りつぶす光悦。二人の間にどんな会話が
交わされていたのだろう。
宗達ひとりで描いた『牛図』も非常におもしろいと思った。
牛の図案だけを描き、あとは墨の流れにまかせて、
牛に色付けをしたという作品。
偶然性を待ち、実験的な気風にあふれている。
しかも結果がこの滲みとは。圧巻。


琳派つながりのクリムトやルドン、ウォーホルの作品は、
あまりこころを動かされることがなかった。
見なれているというのを差し引いても、納得できるものが少なかったのは
非常に残念。