通り一辺倒。

忙しい。
いつも1、2時間の仮眠を摂っては、仕事しているような毎日だ。
首と肩にガタが来ている。鍼治療に行きたいな・・・

この忙しさも今が峠で、今週半ばから来週くらいまでは少しラクになりそうだ。
久々の休み。早く開放感を味わいたい。

久々に山下達郎氏の番組『サンデーソングブック』を聴く。
どうやら私の大好きなフィラデルフィアサウンドギャンブル&ハフ
特集のようだ。


いわゆる黒人音楽のファンは、スタックスなどのサザンソウルを
好むが、私は圧倒的にフィリーやサルソウルのほうが好みである。
それは私がパンク〜NEW WAVE世代だからだろう。
サザンソウルにも雑食性があるが、フィリーのほうがさらに雑食性を
感じる。そこが惹かれる理由なのだと思う。


ギャンブル&ハフ以外にも、フィリーサウンドを形づくった
敏腕プロデューサーの名曲が並ぶ。
マクファーデン&ホワイトヘッドをはじめ、バニー・シグラー、トム・ベル
などの未CD化音源が次々と流れる。


…ああ至福の時。


聴きながら、ふと思う。
今、フィラデルフィアサウンドを聴ける機会なんてあるのだろうか、と。
先日、calmさんがマクファーデン&ホワイトヘッドのスタンダード
〈Ain't No Stopped Us Now〉をプレイしていたが、クラブでも行かない
限り、もしくは達郎さんのラジオでも聴かない限りは、おそらく耳にする
機会はないのではないかと思う。


とても淋しい状況である。
私が20代半ばの頃は、ハウスやクラブジャズやテクノも聴きつつ、
会話のなかでイントゥルーダーズの名前が出てきたり、
ネプチューンレーベルの名前が出てきたりしていたものだったのだが…。


おそらく今は、20代でフィラデルフィアソウルを語る人間などいないだろう。
洋楽を聴くのは、せいぜいクラブに行く一部の人たちあるいは、ロッキン○ン
の読者くらいに違いない。
そういった状況があるからこそ、ディスク○ニオンが欧米のロックのレコード
しか買い取らないと言い出したり、新進気鋭のDJが現われたりすることがない
のだろう。


ハウスやテクノなどが持つ、音色やリズムのカッコよさも魅力的だが、
ヴォーカルグループのハーモニーの美しさ、ストリングスの豪華さも
私は非常に魅力的だと思う。
今や黒人音楽のヴォーカルと言えば、R&BかHip Hop。
ストリングスの美しさを感じる音楽は、ちまたじゃ少ない。


音楽は一言で言い尽くせない、多種多様の魅力がある。
それが感受性豊かな世代に伝わっていかないのは、なぜなんだろう。
しかも、これだけ世の中にCDやレコードが溢れているというのに…。


世の中が通り一辺倒で、収束されていく傾向にある。
そこがとても腹立たしい。