3,000円の幸せ。

なすとししとうの味噌炒め。

21:00前に、近所の八百屋に行く。
その帰り、どこからともなくアルトサックスの音がする。
どこで吹いているのあろうとあたりを見回すと、公園のベンチにひとりスーツを着た男が
サックスを持って座っていた。

見ている私に気がつくと、その男は練習するのを止め、私がその場から少し離れると
再び吹きはじめた。
練習するなら、そんなにこちらを気にしなくてもいいのに(苦笑)。

今日は、
なすとししとうの味噌炒め
しじみのお吸い物
餃子

たわいのないことが、とても幸せに感じる。
私は所持金が仮に3,000円しかなくても、結構
HAPPYでいられる気がする。


そもそも大きなダイヤモンドや、ブランドもののバッグが欲しいと
思ったことがない。
だいたい大きいダイヤモンドを身につけて人に見せびらかすのは、
みっともないと感じてしまうタチだし、ブランド品は基本的に
私の趣味じゃない。
趣味でないものに囲まれていても、単に苦痛なだけ。


それよりも食べたいときの一粒のチョコレートだとか、
大好きな柑橘類の香りの石鹸だとか、
その程度で私はとても幸せに感じるのだ。


今日はその大好きな石鹸(400円)を購入したあとで、
自由が丘に行く。
お気に入りの古本屋で、古本を物色するのがなんとも楽しい。
ほとんど毎日本屋に行くのが習慣になっている私だが、
新書を売っている書店よりも、古本屋のほうがはるかに
エキサイティングな場所だと感じる。


私にとって80年代半ば以降の日本人の考えは、
おおよそのところで予測がつくものだ。
そのせいか、80年代半ば以降の書籍にほとんど魅力を感じない。
興味があるのは、それ以前の人々の考えである。
人間のキャラクターが現在よりも収束されていない分、
ことばも考えも自由奔放で非常におもしろい。
彼らの思惑に触れるために、私はつとに古本屋へ向かう。


本日購入したのは、
『遊ぶ』(平凡社 1980年)
『みみをすます』(福音館書店 1982年)


『遊ぶ』は富岡多恵子責任編集で、対談形式の書籍である。
三上寛もそこで遊びについて語っているのだが、彼の考えは
ひときわ光っている。
『みみをすます』は、谷川俊太郎のひらがな長篇詩なのだが、
彼のことば遊び巧みさと、詩の展開のダイナミックさに
ひどくこころを打たれてしまった。
2册で1,200円也。(感想は後日)


その後、広告代理店に勤めていたという妙な珈琲屋のマスターの
ところでココアをすする。800円也。


3,000円でお釣がくるけれど、とても楽しい一日。