方法を模索する。

自宅のMacの“お気に入り”と“はてなアンテナ”を整理。新しいものを登録することもあったが、
大半は処分した。普段は気がつかない、自分のドライな側面に気づかされる。
パソコンや携帯電話には、情や遠慮はない。あっという間に形のないものにする。
それらがストレスの原因になることもあるが、解消することもあるのではないか。

残念ながら、“はてなアンテナ”では“さるさる日記”は登録できないらしい。
ライバルは疎外するということか。ライバルを味方につけるというのも世の中には必要なことだと
思うのだが、いかがなものだろう。ともかく“さるさる日記”ユーザーのサイトをいくつか登録
したいと思っているのだが、これはどうにもならないようだ。

先日とあるテレビ番組に民主党岩国哲人氏が出演していた。
彼は世界最大の証券会社、メリル・リンチ米国本社副社長から出雲市長へと転身した人物。
この一件で年収一億数千万円から、年収1200万円になった男である。
彼は私が住む神奈川8区から出馬した衆議院議院だが、
私は彼の経歴のことなど、何も知らなかった(恥ずかしい…)
しかしこの番組を見て、とてもおもしろい発想をするな、と思った。
彼が出雲市長に就任して、ずいぶん市政が変わったのだという。


彼はメリル・リンチにいたから、経済について熟知している。
その彼が、経済というのは“お金を追いかけてお金を増やしていくものだ”という。
しかし行政では、“お金は市民の幸福のために使う”という使命がある。
これをまずは果たさねば、と考えたらしい。
市役所というところは“市民の役に立つところ”と書く。だから所詮サービス業なのだという。
(私の口癖“サービス業”がこんなところで出てくるとは!もちろんここも共感!)


ところが一般的に市役所のイメージは、暗い、冷たい、不親切、偉そう、ときている。
おまけに 土、日は休みだ。
それでは、うまくいくものもうまくいかない。
そこで彼は、すべてイメージと反対のことをやろうとしたわけだ。
サービスを5日から7日に増やし、 土、日の営業を人が集まるショッピングモールに出張所を
設けた。
ショッピングモールのほうも人が集まるので、テナント料は無料にしてくれる。
市役所内も土、日に仕事が集中するから、その分平日の利用が少なくなっていく。
おかげで今までの仕事が7割の人でできるようになった。 しかも人件費が3割削減できたらしい。


ゴミ問題の話もおもしろかった。
出雲市では各家庭に配布するゴミ袋の枚数が決まっていて、それを無料で提供しているのだという。
それで賄えない人は、お金を出して購入するシステムである。
市民はなんとかその枚数のなかでやりくりして、ゴミを減らすようになった。
なかにはそのゴミ袋さえも余す人がいるらしい。
さらにそういう方々のゴミ袋を買い取るシステムを組み、より市からゴミを少なくさせて
しまった。
ゴミ処理に使う経費は、かなり浮かんだということはいうまでもない。


とりあえずこの浮いたお金は市役所職員の飲み食いに。
…ってことは、一応ないようである。
岩国氏は少子化対策のため、たくさん子どもを生んだ奥さんにボーナスを与える
システムを組んだのだ。


おもしろいな。私は素直に岩国氏、そしてそのブレーンをすごいと思った。
こういう物事の捉え方は応用できるもので、自分の仕事やイベントなどにも充分
生かせる気がした。
どこを捨て、あるいはどこに力を入れるべきか、必要なところにエネルギーを補填する。
その方法を模索するのは、本当に楽しいこと。