生活の歌。

エスキモーのドラム

高校時代からの友人Kちゃんが、掲示板に書き込んでくれた。
ああびっくり。とてもうれしいのだが、本当に古いつきあいの友だちが書きこんでくれると
なんだか妙に驚いてしまう。
当時、私は彼女の実家にしょっちゅう泊まりに行ったものだった。
食事も何度もふるまってもらったし、ご両親ともよく話をした。
私のもうひとつの実家だと言いたいほど。

高校時代は勉強を除けば、本当にラクだった。人柄のイイ人間ばかりで、楽しかったことしか
思い出せない。進学校だったがカリカリとした雰囲気も一切なかった。ただ勉強はシンドかったなあ。
二週間に一度くらい、大きな試験がやってくるんだもん。それでも勉強しなかったけどね(笑)。

yu-jiが肉の話をしていたことで思い出したのだが、我が家には
エスキモーのレコードがある。


The Eskimos of Hudson Bay And Alaska(米 Folkways FE4444)


タイトルからもわかるように、フィールドレコーディングのレコード
なのだが、エスキモーの音楽っていったいどういうものなのだろうか、
ということが非常に気になって購入したんだと思う。
(いつ購入したか覚えていない)


ジャケットはあまり冴えないので、今回は封入してあったライナーノーツの
写真のほうを掲載することにした。


“ドラムオーケストラ”と言われる人たち。


円い輪に皮を張り、共鳴させる胴がないドラム。しかもドラムの表側から
叩くのではなく、裏側から叩いているのがおもしろい。
また叩いているおじさんたちが、信じられないほど無邪気な顔をしているのだ。
やはり、人格は顔にでる。
彼らの前なら、神だって降り立ってくるであろう。


ドラムが入ってくる音楽は、みな2/4拍子。BPM80くらいだろうか。
前に強拍があり、なんだかゆっくりと階段を降りてくるような音が延々と
続いている。
それに合わせてシャーマンが歌を口づさむ。
深夜に聴くとかなり恐い。


ほかにも、のこぎりの音を口まねし続ける歌なども収録している。
生活の歌だ。
(捕らえた獲物の骨を削る時に、のこぎりの音を覚えるのだろう)
HIP HOPのお兄ちゃんたちがリズムボックスの真似をしているのと、
感覚的には変わらない。一定のリズムを刻みながらループしている。
これは食の恵みを享受する歓びの歌なのだろうか。


彼らはどこから歌を学び、踊りのノウハウを得たのか全く読めない。
そこがまた、とても魅力的だ。