倍音と音色。

謹賀新年。

今年も正月に実家へ帰れなかった。
どうやらすぐ下の弟は、大晦日だけ帰ったようだ。それからは、自分の店の福袋を出すとかで
北九州の小倉に戻ったらしい。彼の経営するセレクトショップは、どうやら繁盛しているみたいだ。

実家のおせちが食べたい。今考えると、九州の冬の食べ物はこちらで食べられないものばかりだ。
おせちに必ず入っていた“辛子れんこん”をはじめ、魚のアラの煮付け、水たき、だんご汁など、
ごく当たり前に食卓に並んでいたものが、なかなか味わえない。
まあ水たき、だんご汁はなんとかつくれる。魚のアラの煮付けは食材として手に入りにくいと
いう難点がある。辛子れんこんに至っては、まず手に入らない。
こればっかりはつくろうと思っても、シロウトがやってもうまくいく自信がない。

今日はお雑煮を食す。四角の餅しか手に入らないため、泣く泣く関東風。

今日は[KU-KI]のToshiくんからメールをもらう。
音色とリズムのことが書いてあった。
彼は、音色とリズムが魅力的な音楽が好きだという。
私もその要素は外せない。だいたいハウス/テクノなんて、それだけの音楽と
言っても過言ではないくらいだ。
音色がおもしろければ、私はそれだけで満足がいく人間。
何しろ音楽が好きというよりは、音が好き。
それはここで何度も言っているくらいだから、ご存知でしょうが。


サイン波のような倍音なしの音もいいが、基本的に私は倍音豊富な音が好みである。
“アタックの倍音がふくよかすぎて、ピッチがずれて聞こえる”
そんな音もたまらないと感じてしまう。


だから、ピッチも狂っていてOKなのだ。(まあこれは匙加減だけれど)
バイオリンや胡弓など、フレットのない不安定な楽器に惹かれてしまうし、
ベースにもフレットはいらないと思ったりする。
だいたいアナログシンセ好きだから、不安定で倍音豊かな音に魅力を
感じるタチに違いないんだけれど。


倍音と言えば、CALMさんの名盤『SHADES OF EARTH』の〈NOON AT THE MOON〉の
オープンハイハットとシンバルを思い出す。
私はいつもあの曲のハイハットとシンバルしか、聞いていないような気がする(笑)。
たぶんあの音はマイク録りをして、それをサンプルにシーケンスを組んでいる
ように思うのだが、高周波の倍音が多いハイハットとシンバルのおかげで
音色だけで満足がいく。
他の音色がシンプルだからこそ、余計際立って聞こえるのもあるのだろう。
単純なのだが、こういうつくりかたもおもしろいと思っていた。


またあのアルバムは、妙に音の分離がイイように感じる。
それはただ単に、音数が少ないからだけではないように思う。