急く生活。

昨日は打ち合わせをしていたところ深夜になってしまい、終電を逃してしまった。
渋谷からタクシーに乗って帰ればいいや、と思っていたのだが、久々に深夜の246号線を
歩きたくなった。
それで、渋谷から三軒茶屋あたりまで歩いてみる。

10年前くらいのとき、こういうことをよくやっていたな。

不思議なもので10年前の自分より、今の自分のほうがはるかに好き。
今の私のほうが自信があるのだ。まあ、根拠のない自信なんだけど(笑)。
あと10年先も、こうしていられたらいいのに。

などと考えながら、三軒茶屋あたりからタクシーを捕まえ、多摩川を越えて我が家にへ帰る。

ここ数日、尼崎の脱線事故のニュースばかり見ている。
ほんの30分前話をした家族が、帰らぬ人となるなんて…。
想像を絶することが世の中にはあるものだ。


「夜は、家で食べるの?」
「…自然解凍して食べてね。」


遺族に遺した手紙やメールは、どれも無邪気だ。
それが妙に哀しく、痛々しい。


運転手は23歳なのだという。私はこれに驚いた。
何の疑いもなく30〜40代だと踏んでいたのだ。
経験豊富じゃなければ、電車なんて運転できないものだと思っていた。


若くて使いやすい20代前半をたくさん起用し、中堅層を極端に減らす。
人件費の削減のつもりだろうが、小手先の政策に見えてならない。
ここ10数年小手先の政策をとってきた企業は、ことごとく崩壊してきたのに、
まだわからないらしい。


しかし東京や大阪のダイヤは、凄まじいな。
大分にいるころは、生活に電車は必要がなかった。
電車は旅行に使うもので、1時間に2、3本やってくる。
そんな乗り物が電車だった。


数分後に電車が続き、なおかつ数秒を争いながら電車を走らせることなど、
地方じゃ想像を絶すること。
もちろん海外でも、この事件は理解できないのだという。


私も東京に来て、ずいぶんせっかちになった。
急く生活ができなければ、東京では暮らしていけないからだ。
こうやって生きていくのは、果たして幸せなんだろうか。