Moonbeams@西麻布Yellow

友だちの早苗ちゃんは、いつも私のことを「強い人」という。うらやましい、と。
好きなことがあるから強いんだろうな、としみじみ言っている。
そうなのだろうか。
彼女も彼女の友だちも“つい誰かに依存してしまう”のだという。
依存かあ・・・

私は誰かに依存することはないけど、頼れる相手がいれば頼りたい。
頼る相手がいなければ、自分でこなしていくしか仕方があるまい。
それに暮らしは毎日続いているわけだから、楽しくなるよう工夫はしている。
ちょっとやり方を変えたり、手順を変えたり、時には楽しくなるようなグッズを購入したり。
そうやって、自分ひとりでも楽しめる方法を考えている。

今日はMoonbeams@西麻布Yellowへ行く。
calmさんのDJ、AS OneことKirk DegiorgioのDJ、新生PONTA BOXのライブが
あるからだ。


渋谷からはタクシーで向かった。
Yellowのエントランスで、何やらぶつくさ言っている人がいる。
まさか私に話しかけていると思っていなかった。
「シカトかよ!」。顔を見るとcalmさんのスタッフのKAMI。
髪が伸びていて、全く気がつかなかった。
彼が指差す先には、KENKOUが立っている。彼のことも全く気が
つかなかった。
彼もKAMI同様、髪がずいぶん伸びている。
私は仕事となると人が変わったように動くが、ふだんの私は本当に
ぼーっとした人間。おまけに空想癖があるから、意識が別のところに
行っていることが多い(笑)。
KENKOU、KAMIごめんなさい。


メインフロアに降りていくと、calmさんがDJをやっている。
24:00なら入っているほうだろう。
しばらくすると新生PONTA BOXのライブがはじまった。
村上“PONTA”秀一さんのドラムを生で観たのは、数年前だっただろうか。
当時に比べるとドラムセットが、ずいぶんシンプルになっている(笑)。


ベーシストとのコンビネーションが素晴らしい。
つまりベーシストもいいのだろう。
20歳にして新生PONTA BOXのキーボード奏者になった柴田さんも、
相変わらずファンキー。鍵盤をものすごい勢いで叩いている。
2曲ほど演奏したあとで、女性のsax/flute奏者が登場。
広末涼子似のアイドルのような演奏家だ。
彼女が登場することで、男3人のステージが一気に華やかになる。


ライブが終わると、今度はKirk DegiorgioのDJ。
ミニマルな音楽でフロアを湧かせはじめた。
お酒をもらおうとBarに行くと、KAMIが手を振る。
行くと笑顔の温かい男性がいた。彼の名はtuskさん。
Music Conceptionのホームページでライブについて書いていた人だ。
札幌までライブを観にいく“おっかけ”だと自嘲していたが、
それが楽しくてたまらない、というのが伝わってきた。


KAMIにお酒でもおごるよ、と話し、上のフロアへ移動すると、
KENKOUがいたので急遽三人で飲むことに。
乾杯!と三人でテキーラを飲み干す。
KENKOUとは音楽制作の話、mi-neのこと、加藤さんや関根さんとの
出会い、そしてお兄ちゃんのことなどを話す。
彼と話をするたび、calmさんはイイ音楽家であり、イイお兄ちゃん
なんだなあと思う。


その後、SLOW DIDIの一行がやってきて、PONTAさんの話になる。
calmさんもKENKOUさんも、SLOW DIDIさんも彼の大ファンらしい。
特にcalmさんはPONTAさんのCDを持参し、サインをしてもらった
とのこと。
「やっぱりこの差が、俺らと違うんだよ。売れるか売れないかは
ここにかかってくるんだよ」と話すSLOW DIDIさんのことばに
一同大爆笑。
今度はSLOW DIDIさんのおごりで私とKENKOU、KAMIで飲む。
SLOW DIDIさん、ごちそうさま。


再びフロアに戻ると、DJが再びcalmさんに。
最近のcalmさんのDJは神ががっていて、非常にいい。
特に今日のDJは最高だった。ただ単に盛り上げるだけではなく、
緩急があり、エンターテイメントとしての機能もしっかり果たしている。
今日のcalmさんのDJを、個人的には2005年前半のベストDJとして
ノミネートしたいくらいだ。


その素晴らしいDJを表すかのように、フロアには6時すぎまで40人の
お客さんが残っていた。「calm!」「calmさん!」などと彼の名を呼ぶ
声が行き交う。残っていた人は、みな帰るのを惜しんでいた。
もちろん私もそのひとり。