夏休み1日目。
今日から夏休み。 久々に実家に帰るので、気が急いていて、落ち着かない。 早く父に会いたいが、病院の面会時間に間に合うのだろうか。 そればかりが気になる。
予約をとり、当日チケットを購入するようにしていたのだが、
発券手続きが思いのほか時間がかかってしまう。
16:55分、東京発の飛行機に本当に乗れるのだろうか。
結局、満足におみやげも買えないまま、飛行機に乗り込む。
ともかく大分に着けること、父のところに行くことが先決だ。
駆け込むように、飛行機に乗り込む。
到着時間10分ほど過ぎて、大分空港に着く。
空港からは“バス”か“ホーバークラフト”という、二つの選択肢が選べる。
安くて時間がかかるバスか、早くてお金がかかるホーバークラフトか。
父の病院に直行する予定なので、迷わずホーバーにする。
駅についてから、父や病室の患者への差し入れとおみやげを
購入し、タクシーで父の病院へ向かう。
6Fの6XX号室。
ぐったりしていたら、どうしよう。痩せていたら、どう話しかけよう。
数字だけをたよりに、部屋を探す。ようやく番号を見つけてのぞくと、
ベットに座っている父と目が合う。
お父さん…父の顔だけを見つめ、病室に入っていく。
父は、髪の毛が抜けてはいなかったが、真っ白になっていた。
2年前に会ったときには、黒髪がもう少しあったのに…
(あとで母や弟に訊ねると、前からこうだったという)。
久々に会うと、こうも感覚が異なるのか。
お互いの近況を話した後、看護士が表れて指を挟んだだけで、
白血球の数がわかる器具をもってくる。
どうやらこれで父の免疫力が推し量れるらしい。
こちらが考えるよりずっと父は元気で、痩せてもいなかった。
病人らしさが見当たらない。
この人は、なぜここにいるんだろうという雰囲気だ。
ほかの3人の患者は、すっかりふさぎ込んでいるというのに。
このあと、父がタクシー乗り場まで見送ってくれた。
そして、あさって早朝に帰るからという。
その後、タクシーで自宅まで帰り、夜遅くまで母と話し込む。